お知らせ
2025/10/25
お知らせ
ガンダーラの仏教美術
常設展示《ガンダーラの仏教美術》は、ガンダーラ(現パキスタンおよびアフガニスタン)でつくられた仏教美術を紹介しています。
釈尊は紀元前5世紀頃、インド北部(現ネパール)に生まれ(降誕)、出家の後に悟りを開き(成道)、入滅する(涅槃)まで説法を行いました。
そして、紀元1世紀頃に仏像がつくり始められ、2~3世紀のガンダーラでは、ギリシャ・ローマ美術の影響を受けた多くの仏像や本生図(釈尊前世の物語)、仏伝図が刻まれました。
それらは東西文化交流・融合の象徴ともいえる仏伝図は釈尊の生涯・説話を表現したもので、誕生、出家(出城)、説法、入滅など、多様な場面が描かれています。
①誕生
片岩 2~3世紀
中央に立つ摩耶夫人の右脇腹より、釈尊が誕生した場面。右側で摩耶夫人の妹マハープラジャーパティーが支え、その右の侍女は孔雀の羽で風を送り、もう1人は壺を手にしています。
釈尊を受け取ろうとしているのは帝釈天で、左の神は口笛を吹き、天衣を振りながら釈尊の誕生を祝福しています。
また、左右それぞれに枠で囲まれた人物がいるが、これは仏伝の区切りをあらわす装飾。右端の欠損箇所には釈尊の誕生前、左端には誕生直後の場面が刻まれていたと考えられます。
➁出城
片岩 2~3世紀
仏塔(ストゥーパ)の正面に取り付けられていたと思われる、アーチ形のレリーフ。
ヤショーダラー妃と日々を送っていた釈尊(上段)だが、人間のあるべき姿を追求するため家族も国も捨て、出家することを決意。
寝ている妃(中段)を残し、
愛馬カンタカに乗って城を出る(下段)というストーリーを、3つに分割して表しています。
最下段には、ヘレニズム・ローマ起源の「花綱を担ぐ童子」が、釈尊の出家を賛嘆しています。
③初転法輪
片岩 2~3世紀
神々の要請に応じた釈尊が、サールナート(鹿野苑)で初めての説法を行なっているところ。台座には、仏法の象徴である法輪と、鹿野苑を示す2頭の鹿が表されている。釈尊の思想が初めて明らかになった歴史的な説法を、初転法輪といいます。最初の仏弟子となった5人、執金剛神などの神々や、世俗の人々が釈尊を取り囲みます。教えに聞き入る人物の表情にも生気が溢れています。
④王の帰依と涅槃
片岩 2~3世紀
上段の中央に立つ釈尊の脇で、ひざまずき合掌しているのは阿闍世王。父王を死に追い込むなど、悪行を重ねた阿闍世王が倒れたとき、釈尊は涅槃に入るのを延ばして王を救ったという。 下段、横たわる釈尊の枕辺で、金剛杵を手にするのは執金剛神、寝台の前で坐る後ろ姿は最後の仏弟子スバドラである。釈尊の足元に立つ男女は、成道を妨害した魔王マーラとその娘。釈尊に入滅を迫ったとされるマーラが登場する珍しい作品である。
*現在は展示されておりません。