お知らせ
2021/11/23
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次回特集展示
「アジアの聖地 ―井津建郎 プラチナ・プリント写真展―」のお知らせ
1月5日~5月22日まで、特集展示「アジアの聖地 ―井津建郎 プラチナ・プリント写真展―」を開催いたします。
半世紀にわたりニューヨークを拠点に活動し、2021年秋に拠点を日本に移した写真家・井津建郎氏のプラチナ・プリント作品による展覧会です。
本展のみどころ
1. アジア各国の聖地を撮影した作品50点を紹介
井津氏は、1993年にアンコール遺跡撮影のため、初めてカンボジアを訪れ、廃墟と化した遺跡にも存在する生命の崇高さ強さ不思議さに心を揺さぶられます。以後、アジア各国の聖地を巡り始めました。
本展示では、1993年~2012年までに撮影された作品50点を、地下展示室と2階マルチルームの2つの会場で展示いたします。展示を通して、井津氏の足跡を追体験していただければと思います。
2. グレーをほとんど無限に表現できるという「プラチナ・プリント」
プラチナ(白金)を用いた画像は、白から黒までの階調の幅が広く、グレーの調子をほとんど無限に表現することができます。
また、白金の化学的な安定度が極めて良いため、通常の銀塩画像やカラー画像に比べて保存性が優れていることが特徴です。
参考資料:プラチナ・プリントの制作工程
3. 見る者の心の内側にも響く井津氏の世界
井津氏は、自身の撮影スタイルについて、次のように語っています。
「これまでの旅の中から、それらの地、文化、人々から多くのものを学ばせていただいてきた気がする。中でも、とても大切と思えることは、耳をすませて聴くこと、そして自己内面を冷静に見つめる事であった。撮影時に必要な被写体観察にとどまらず、自身内面にも目を向け、そして静かに耳を傾けて気配を聴く時、そこに目では見えなかった"何か"、が見え始めてくることがある。心に響く"何か"を求めての聖地行脚を続けてきたが、私の探す"何か"とは彼の地にあるのではなく自己内面の裡に、そして自身がまさしく今、呼吸している大気の中に存在するのではないか、それに気付くための長年の旅だったのでは、と昨今感じるようになった。振り返れば50年前にニューヨークへ行くと決心した時から"何か"を探す長い旅が始まった事になるが、それはとりも直さず、聖地という精神世界の具象物体を通して、自身の道を模索する行為の軌跡とも見ることができる。」
主な作品
アンコール#26、タ・プローム、カンボジア 1993年
アンコール#79、バイヨン、カンボジア 1994年
ボロブドゥール#15、インドネシア 1996年
バラナシ#105、ガンジス河畔、インド 1997年
カイラス山#75、チベット、中国 2000年
ティルチラパッリ#615、インド 2012年
略歴
1949
大阪府豊中市に生まれる。
1967
日本大学芸術学部写真学科に入学。
1971
写真家を目指して渡米。以来、ニューヨーク在住。
1979~
エジプトのピラミッド、メキシコのマヤ遺跡、イギリスのストーンヘンジをはじめとして聖地の撮影を始める。
1993
カンボジアのアンコール遺跡を撮影。以後、アジア各国の聖地を撮影する。
1995
カンボジアに小児病院を設立のため、ニューヨークにてNPO「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー」を設立。
2002~
《ブータン 内なる聖地》シリーズを撮影。
2013~
《インド 永遠の光》シリーズを撮影。
2015~
イタリアのポンペイ遺跡、中国・江西省抚州、日本の能面などを撮影。
2021~
日本の金沢に拠点を移す。
<主な受賞>
2000
日本写真協会文化振興賞(日本)
2002
John Simon Guggenheim Memorial Foundation Fellowship (USA)
2007
Visionary Award, Lucie Awards(USA)
2011
Lucca Photo Award, Lucca Photo Festival(イタリア)
展覧会基本情報
展覧会名 |
アジアの聖地 ―井津建郎 プラチナ・プリント写真展― |
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会期 | 2022年1月5日(水)~5月22日(日) |
開館時間 |
10時~17時30分 (入館は17時まで) ※開館時間は変更する場合がございます |
休館日 | 毎週月曜日・火曜日 |
入場料 | 無料 |